大田医療産業機構の設立に寄せて

大田医療産業機構 理事/東京労災病院 院長 寺本 明
   大田医療産業機構 理事
   東京労災病院 院長
   寺本 明

 私ども医療関係者は、常々、医療の現場にこんな機器があるといいな、といったニーズを抱いています。また、こういう具合に工夫すれば便利だな、といったシーズも持っています。しかし、畑違いのため、それらをどのように具現していったらよいのかがわからないまま、ほとんどのアイディアは消え去ってしまっています。
 これらのニーズやシーズをものづくりの現場や産業界と結びつけようとするために、産学共同とか医工連携という発想が生まれてきました。東京労災病院でも大田区と協力して、5年前に、病院隣の森ケ崎テクノフロント内に医工連携室を立ち上げました。ものづくりの町大田区には高度な生産技術を持った企業が多数あるからです。これは、医療の現場の声と産業現場の技術をお見合いさせることが目的でした。
 このこと自体は意義のある事業であり、かつ今後とも必要なことではありますが、次のステップとして必要なことは、ある程度出来上がった製品をどのように世の中に出していくかが問題となります。そのお手伝いをしようというのが、今回発足した大田医療産業機構であると思います。本機構は、医療機器等の研究開発、製品化、製造・販売等の事業を行い、もって製造業をはじめとした産業の振興等に寄与することを目的としています。
 本機構の設立によって、医療者の素朴なアイディアから実際の医療製品へ至る一貫した経路が遂に完成したものと考えます。産業の発展とともに、医療の安全性、高度化、効率化が高まることを祈念しております。

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