理事長ご挨拶

大田医療産業機構 会長/浅野 健
   大田医療産業機構 理事長
      浅野 健

 一般社団法人大田医療産業機構は平成29年4月11日に設立された新しい組織です。
 政府は2012年6月、医療イノベーション5か年戦略を策定し、オリンピック・パラリンピックの年である2020年までに「海外市場での医療機器・サービス等ヘルスケア関連産業での獲得市場20兆円」を目標とし、「日本のものづくり力を生かした革新的医薬品、医療機器、再生医療、リハビリ・介護関連機器等を積極的に海外市場へ展開する」と海外展開の方向性を明確にしました。2020年までわずかに3年を残すのみです。
 日本の医療機器の多くは現在まで、大企業を中心にいわゆる診断装置、CT、MRI、超音波装置等が製品開発され輸出されてきた。しかし、ハサミ、メス、縫合糸、車イス等も医療機器であり、これらひとつひとつの製品の市場規模は小さいが種類が多いという特徴を持つのも医療機器である。さらに、医療産業と言っても医食同源という言葉があるように食品関係、健康・スポーツ産業、介護等もその範疇に入るため、医療産業のすそ野は広い。大田区には数多くの優秀なものづくり企業があるが、医療機器の開発のイノベーションを起こすためには中小企業単体ではなく、大田区内の大学や病院との共同研究開発が必要となる。しかし、医療産業には他の産業にはない特徴がある。医薬品や医療機器は人体に及ぼす危険性があるため、その危険度によって、届け出、認証、承認といった許可(薬事申請)を自治体又は国からとらなければならない。大田区には高度管理医療機器を製造販売するために必要な製販の資格を持つ人材を有している企業はすくない。このような人材を雇用していない中小企業は、医療産業に参入することが出来ないという壁があります。さらに人工血管やステントといった失敗すれば人体に危険を及ぼすような高度管理医療機器の場合、販売をする前にそれらの医療材料が安全で有る事を実際の治療の現場で、臨床治験という形で証明しなければならない。この臨床治験は、入院費、検査費、手術費等、すべて企業の負担となるため億単位の資金と2-3年といった時間を必要とします。この臨床治験が第2の壁です。
 大田区の中小企業が医療産業に乗り出すためには、この二つの壁を乗り越える必要がありますが、それは中小企業にとっては3年程度の時間で困難です。
 大田医療産業機構の目的は、大田区の中小企業に代わって薬事申請を行うこと、さらに来年度は医療関連向けの投資ファンドを立ち上げることによって資金援助をし、大田区の中企業が医療産業にそびえる二つの壁を乗り越えることを現実化することです。
 また、大田医療産業機構の英訳は「Ota Medical and Industrial Incubation Institute:Ota MI3」であり医療と産業の間にand即ち「・」が入っています。その言わんとするところはすそ野の広い医療産業を幅広い産学共同によるイノベーションを大田区の技術力によって製品として結実させ 世界に向かって販売していくのが大田医療産業機構の目的です。

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